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(1)都市鉄道の現状
鉄道は日常生活に欠くことのできない交通手段として人々に浸透しており、現在、全交通旅客の中で、日本の鉄道は約3割の旅客を輸送している。これまで、大都市に集中する人々の様々な需要に対応するため、地下鉄整備を始め、多くの鉄道の新線整備や路線の郊外への延伸、スピードアップ化が図られてきた。また輸送力増強のための線路増設や電化、安全対策としての連続立体交差事業が現在も行われている。このようなたゆまぬ鉄道整備の結果、東京圏で課題の一つとなっていた混雑状況はある程度改善され、鉄道ネットワークは縦横に張り巡らされ、「ほぼ既成した」と一部の識者の意見がある。
平成15年度版都市交通年報によると3大都市圏における旅客輸送量は平成7年をピークに緩やかに減少傾向にあり、東京圏においては図−1のように推移している。これは今後の就労人口や学生数の減少、勤務時間の柔軟化や職住近接の進展等によって、さらに減少するのではないかとも言われている。これからの鉄道事業のありかたは少子高齢化がひとつのキーワードとなり議論され、都市内における多様化が求められることになる。
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| 図-1 東京圏における混雑率の推移
出典:国土交通省 関東運輸局HP |

以上に記したような観点から、今後新たな鉄道整備の必要性は少ないのではないかという一部意見がある。しかし、これらの意見は一般市民の感覚からは程遠く、現状に対する理解不足による誤解といわざるを得ない。そのため次章以降に現在、都市鉄道の抱える課題等を挙げることによって、鉄道整備の必要性について再認識し、今後の鉄道を含めた都市交通システムのあるべき姿について検討を行う。
(2)利用者の要望するサービス
平成14年度大都市交通センサス調査報告書によると、首都圏において、鉄道利用者からの要望をアンケート集計した結果、要望するサービス向上として、運行サービスに関する要望(スピードを早く、本数を増やす、混雑を緩和、料金を安く等)と使いやすさに関する要望(乗換えを便利に、エスカレータ・エレベータの設置、通路やホームを広く等)が全体の約8割を占めた。特に混雑緩和とバリアフリーに関する要望が最も多かった。
その他の要望も含めると利用者の交通サービスに対する要求が多岐にわたり、高度化していることが分かった。利用者は鉄道整備の現状に満足しておらず、更なる鉄道輸送サービスの改善の必要性を感じているのではないか。
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